第4問(選択)
第4問については、解説用にエクセルファイルを作成しましたので、エクセルが開ける環境にある方はダウンロードしてお使いください。
解説用エクセルファイル(リンクをクリックするとダウンロードが始まります) : H30-jouhoukankei-4
問1
ア : ⑤B2−60
イ : ⑦B1*B2
ウ : ⓪IF
エ : ②MAX
オ : ④F2
まずは前提条件を間違えないようにしましょう。
法則1 晴天時、1個の価格が100円ならば、6時間で少なくとも600個売れる
法則2 晴天時、1個の価格を50円あげると、売れる個数が6時間で約60個減る
法則3 雨天時、売れる個数は晴天時の約8割になる
空欄ア・イ
法則2を使って計算します。
総販売個数は50円あげるごとに60個減るとあるので、セルC2には(B2−60)を入力して、D2からJ2に複写します。
また、売り上げ金額は総販売個数×販売価格で求められるので、セルB3にB1*B2を入力してC3からJ2に複写します。
空欄ウ・エ
何かを売る以上、価格設定が非常に重要であることは言うまでもありません。
できるだけ売り上げが多くなるような価格設定をしなければなりません。
ここでは、予測した売り上げ金額が最大になる金額で販売価格を設定しようとしています。すなわち、3行目の売り上げ金額が一番高いところを見つければ良いのです。
よってセルB5にIF(B3=MAX($B$3~$J$3),”◯”,””)を入力してセルC5からJ5に複写します。
簡単に説明をしておきますと、MAX関数は選択範囲で一番大きいものの値を返します。
また、IF(条件式, 式1, 式2)関数では条件式の値が真(条件を満たす)場合は式1を、偽(条件を満たさない)場合は式2を返します。
今回は選択セルが=MAX($B$3~$J$3)を満たす場合は「◯」を、満たさない場合は「(空白)」を返すという式になっています。
関数の説明は問題冊子の一番後ろのページに載っているので、参考にされてください。
試験の時に忘れても確認できるのでいいですね。
情報関係基礎の表計算問題では一つだけ、実際のエクセルと違うところがあり、エクセルでは範囲の指定をB3:J3のように表すのに対し、情報関係基礎の問題ではB3~J3のように表すのでそこだけ注意してください。
空欄オ
IF(B3=MAX($B$3~$J$3),”◯”,””)の式によって、売り上げ金額が最大になる販売価格がわかります。
今回判定結果で「◯」がついたのはF5なので、販売価格は300円にすると総販売個数は360個ほどが見込まれ、売り上げ金額は108000円になります。
今回は不足しないように予備分を加えて400個を発注することにしたようですね。
問2
カ : ③C$2~C$156
キ : ⓪A2
ク : ①SUMIF
ケ : ⓪A$2~A$156
コ : ⓪A2
サ : ③C$2~C$156
空欄カ・キ
シート2のレジ記録には、何時何分にいくつ売れたかが記録されているようです。
問題に載っている画像は一部省略されているので、作成したエクセルファイルでは条件に合うように作成しました。
シート3の販売個数別集計では、販売個数、購入者数、販売個数合計をシート2のレジ記録から算出するようになっています。
販売個数ごとの購入者数はシート2レジ記録のC列から算出します。
1~4個を購入した人がそれぞれ何人いたのかを計算します。
よってB2にCOUNTIF(レジ記録!C$2~C$156, A2)を入力して、B3からB5に複写します。
COUNTIF(セル範囲, 式)関数はセル範囲中で式と等しい値をもつセルの個数を返します。
今回は複写するために、式を「A2」のようにセル番号にしていますが、「”1″」「”2″」のように数字で表すこともできます。
範囲に$をつけるのは、複写するときに範囲がずれないようにするためです。
シート3の販売個数合計の列には、販売個数×購入者数を入力します。
空欄ク・ケ・コ・サ
シート4の時間帯ごとの販売個数と予測では、時間帯ごとの販売個数と予測個数、販売個数と予測個数との差を求めます。
何時に何個売れたかは、シート2レジ記録の時及び販売個数の列から算出できます。
セルB2にSUMIF(レジ記録!A$2~A$156, A2, レジ記録!C$2~C$156)を入力してB3からB4に複写します。
SUMIF(セル範囲, 式, セル範囲2)はセル範囲1のなかで式と同じ値のセルに対応するセル範囲2の中の数値の合計を返します。
販売個数と予測個数の差については、単純に時間帯ごとの販売個数−予測個数だと−が表示されてしまうので、ABS関数で絶対値を返すようにしてます。
また、合計についてはSUM関数で算出しています。時間のある方は配布しているエクセルファイルでご確認ください。
問3
シ : ③B2*0.8
ス : ③B3/3
セ : ②D1
ソ : ⑧B2
タ : ⑥A2
チ : ⓪A$2~B$7
ツ : 2
空欄シ・ス・セ
開始から4時間後の14時の時点で雨が降り始めてしまったという設定です。
法則3 雨天時、売れる個数は、晴天時の約8割になる
法則2 晴天時、1個の価格を50円あげると、売れる個数が6時間で約60個減る
これらの法則に則りあと2時間で全て売り切れるような価格を決めようということです。
シート5雨天時の販売予測を使い、2時間で121個を売り切ることができ、かつ最も高い価格を見つけます。
シート1の販売予測と同じように晴天時の総販売個数を求めたあと、それに0.8をかけたもの(8割になるので)が雨天時の総販売個数となります。
セルB3にB2*0.8を入力して、セルC3からJ3まで複写します。
また、総販売個数は6時間での個数なので、2時間の個数を求めるために雨天時の総販売個数に6÷2をかけます。
セルB4にB3/3を入力してC4からJ4に複写します。
以上から、2時間で121個を売り切ることができ、かつ最も高い価格である200円で販売すると良いことがわかります。
空欄ソ・タ・チ・ツ
渡辺さんは、シート6時間帯ごとの販売個数のまとめとシート7時間帯ごとの販売価格を作成したそうです。
最後の問題は、シート7時間帯ごとの販売価格とシート6時間帯ごとの販売個数まとめの販売個数から、売り上げ金額を求める式を求める問題です。
まずは、シート6時間帯ごとの販売個数まとめのセルB2に時間帯ごとの販売個数を求める計算式SUMIF(レジ記録!A$2~A$156, A2, レジ記録!C$2~C$156)を入力してセルB3からB4に複写します。問2でも出てきた式ですね。
セルB5からB7についても同様の式(範囲の変更は必要)を入力するべきですが、今回はさらにデータを作るのは大変なので問題の図からそのまま引用しています。
E列では売り上げ金額を求めます。
販売価格については、すでに求めたように、13時までの4時間は300円で販売し、雨天になったため14時から200円で販売するのでシート7時間帯ごとの販売価格のセルB6とB7の?部分は200となります。
シート6時間帯ごとの販売個数のまとめのE列にはB列の販売個数とシート7時間帯ごとの販売価格を使って売り上げ金額を算出します。
セルE2にB2*VLOOKUP(A2, 時間帯ごとの販売価格!A$2~B$7, 2)を入力してE3からE7に複写します。
VLOOKUP(式, セル範囲, 式2)は、セル範囲の1列目を上から順に検索し、式と同じ値をもつセルを見つけたら、同じ行にあるセル範囲ないの左から式2列目のセルの値を返す関数です。
例えば今回のE2の場合、A2と同じ値をもつセルをシート7時間帯ごとの販売価格のA2~B7の範囲かつ一番左の列(A列)で検索します。見つけたら、式2が2となっているのでシート7時間帯ごとの販売価格のA2~B7の範囲の2列目、すなわちB列の対応するセルの値を返します。
8行目の合計についてはSUM関数を使います。これも時間のある方は実際に確認してみると良いでしょう。
表計算の問題については、実際に自分で作って確かめてみるとより知識として定着するのでぜひやってみてください。
これで平成30年情報関係基礎の解説は終わりです。お疲れ様でした。
最後に
解いてみて思いましたが、全体的に基本情報技術者試験と似通っている部分が多いです。
情報関係基礎を受ける方で将来的にIT業界を目指している方は基本情報の勉強をしておくのもいいかもしれません。
また、教科書では専門教科情報の方になってしまいますが「情報テクノロジー」の教科書で勉強するのもいいでしょう。
うかる! 基本情報技術者 [午後・アルゴリズム編] 2018年版 (福嶋先生の集中ゼミ)
改訂3版 基本情報技術者 らくらく突破 表計算 (情報処理技術者試験)
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*1:資料 : 独立行政法人大学入試センターHP https://www.dnc.ac.jp/
コメント
H30年度センター入試の問4に関しまして、大学の授業(情報処理演習, 情報科教育法)で、作成して頂いたファイルを活用させて頂き、授業を行いたいのですが、よろしいでしょうか。情報処理演習では少し難しい感じもするので、ファイル内容をやさしくしたり、解説を付け加えたいのですが、よろしいでしょうか。ご検討頂ければ幸いです。
>>鷹岡亮 様
コメントありがとうございます。
はい!ご自由にお使い下さい。
ご連絡ありがとうございました。
ありがとうございます。丁寧に解説も書いて頂けているので、授業内で分からない学生は、このページを参照するように説明したいと思います。助かりました。引き続き、よろしくお願い致します。
今回のセンター試験で情報関係基礎を使うので、細かい解説助かりました!
少しでもお役に立てたなら幸いです!
解説してくださり、本当にありがとうございます😊
今年度の情報関連基礎をうける予定なのですが、
過去問を解く以外に、おすすめの、勉強法はありますか?
情報関係基礎を受験されるのですね!素晴らしい⭐︎
もし、情報関係基礎に時間を割けるのであれば、ITパスポート&基本情報技術者試験の参考書を購入して一周読んで、あとは過去問で分からなかった所を調べる辞書的に使うといいと思います。
大問1,2はITパスポート&基本情報(午前)で一通りカバーできます。
大問3,4は基本情報の午後試験のテキストがオススメです。
おすすめの参考書は
大問3→うかる!基本情報技術者 午後アルゴリズム編
大問4→基本情報技術者らくらく突破表計算
です。
また、選択のおすすめは圧倒的に表計算です。
これは、学習コストを考えたときに表計算の方が時間をかけずに身に付けることができるためです。
頑張ってください!
コメント返信ありがとうございます😊いい点数取れるように精一杯努力します!
基本情報技術者 午後アルゴリズム編かいました!どこをどのように勉強していったら良いのでしょうか?おすすめはありますか?
トレースの練習をするのをおすすめします!
プログラムを読むスピードが格段に速くなりますよ
お時間がありましたら、2016年と2015年分の情報関連基礎の解説お願いします!
記事を見ていただきありがとうございます。
他の方からも要望が来ておりますので、出来るだけ早く作成しますね。
お急ぎでしたら、2016,2015については他のサイトさん(愛知県商業教育研究会等で検索してみて下さい)で解説されている記事がありますのでそちらを参考にされて下さい。
2016年と、2015年の解説もお願い致します!
返信が遅くなってしまいました。すみません。
2016,2015については他のサイトさん(愛知県商業教育研究会等で検索してみて下さい)で解説されている記事が存在したので解説しておりませんでしたが、時間を見つけて記事作成しようと思います!
情報関係基礎対策としてのITパスポートの内、ストラテジ系とマネジメント系よりテクノロジ系を優先して取り組むべきなのでしょうか。
そうですね。テクノロジ系だけで大丈夫です👌
情報会計基礎では、センター試験と共通テストでの差はあるのですか?
そこは気になるところですね!
個人的には、他教科のように大きな変更はないのではないかと予想しています。